ダライ・ラマ14世のお話を聞いてきました

「兄弟姉妹のみなさま」

まずこの言葉から法王のお話は始まりました。

続けて

「私はどこにいっても70億の人間の中の一人であると思っています」と。


2歳でダライ・ラマ13世の転生者と認定され観音菩薩の転生者と生きてきた法王さま。

83歳の今、これからどんなことを大切に21世紀という時代を生きていくことが

大切なのかを、平たくわかりやすくお話しくださいました。


地球上に生きる全てのものは、みな苦しみは望まず、幸せに暮らすことを望んでいます。

人間以外の生き物は、自らが生き延びるためだけに殺戮をするが、人間は自らの欲によって

それ以上のことをしてしまう。

優れた知性を誤った使い方をして、武器を作り出し、核兵器までも作り出し、広島、長崎のように

考えられない苦しみを作り出してきました。

本来、優れた知性は喜びを得るため、幸せになるために、また他の人を幸せにするために使うもの。

20世紀は暴力の時代でした。21世紀は非暴力の時代にしなくてはいけません。

それには、「自己と他」という考えはなくして、みな自分と同じ人間であるという認識が必要である。「私たち、彼ら」というグループ的な見方が争いの心を生みます。

「自己と他」ではなく、「どんな生き物も幸せになりたいと思い、その権利を持っている」そう相手を思いやることが大切である。私たちは無限の力を使って生きてゆける。現代の設備を利用すれば言葉や肌の色を超えてコミュニケーションもとれる。

愛や慈悲の心をどう育むかは、まずは自らの心を開く事です。

日本人は真面目な方々なので、お隣に人がいても、紹介されてないとあまり仲良く挨拶もしない。

ですが、紹介がなくても隣の方も兄弟姉妹と思えば自然とにこやかに挨拶ができるのではないですか?「笑顔の交流」によって人は救われ、豊かさを得ます。自分もたくさんの利益をいただいてきました。

心を閉ざしていると、ストレスや怒りが蓄積してしまう。それはとても健康的ではなく、慈悲の心も

思いやる心を持つことも難しくなってしまう。楽観的な態度で、決意し、確かなビジョンを持って進んでゆくことが大切です。


法王さまは仏教の教えに沿ってお話をされていますが、「仏教が一番だ。」とは一度もおっしゃっていなくて、全ての宗教は見方が違えど「愛や慈悲の心持つこと、持っているもので満足すること、そして自分を規制していくこと」を教えていると言われます。全ての宗教の間に調和を保つことがが大切だと。


その上で、仏教はとても科学的見解を持つと話されていました。

釈尊の教えでも、鵜呑みにせず、分析し、思考し、確信を持つをことが大切であると仰います。たとえ釈尊の教えでも自分が矛盾を感じたら拒否してもよいのです。

宗教は薬と同じ。一つの薬が全ての人に効く事はないのと同じで、一人一人自分にあうものを選んで進めば良い。そして、寺に行って、祈願するのみではなく、一つ一つの意味を知り、仏教とは何かと哲学を学ぶことが大切である。


最近の問題は物質思考の教育が行われてきたことだと思います。

物質的豊かさの追求により、内なる心に目を向けず、外側ばかりを追い求めて生きてきた。その結果人間は武器を作り、苦しみを作り出してきた。それは誤りである。

「健康」についても同じで「外側の衛生観念」ばかりを教育されてきたのだが、これからは「心の衛生観念(できる限り怒りをなくす術を持つ)」を大切にしなくてはいけない。

内なる心に目を向けて、かき乱された心を沈めることで人への思いやりが育って行く。「怒り」を持ったままでは、免疫機能も低下させます。「怒り」は互いを引き離します。

より平和な世界を作るのは一人一人が「内なる平和」を作ることで、そのために人間の知性をフルに使いことです。宗教に入らずとも人への思いやり「利他」の心は育まれます。そこから幸せが個人・家族・社会へと広がっていきます。


インド文化には互いの宗教に尊敬を持つことが昔から備わっていました。古代のインド哲学に基づく心理学と近年の心理学を比べると、現代のものは幼稚園のように感じるほど古代の哲学は素晴らしものであると感じます。


望まずともいずれ70億人が手に手をとって生きていかねばならない時がくる。ともに生き、共に暮らし、皆が「兄弟姉妹」という観念を持つことが平和を構築するのです。70億の人間みなが同じというのは、みんな母のお腹から生まれ母の愛情を受けて育ってきたという共通の立場であるということ。


「武器廃絶」は成し遂げなければいけない。そのためにまずは「心の武器」をなくすこと。敵・味方・怒りこれをなくすことが土台となります。科学者たちも人間の性質は「慈悲・愛の心」と研究結果を述べています。


環境問題も深刻で日本は島国だから水の不足はイメージしがたいかもしれないが、一人一人が認識を変えなければいけないと仰っていました。

1960年代(法王がインドのダラムサラに亡命した頃)はダラムサラもチベットも雪が多かったが年々減っている。インドも10年単位で水が少なくなっているとの結果が出ていると。


法王さまは、仏教的な見方、哲学的な見方、科学的な見方と本当に色々な角度から、<やさしさ・思いやり・利他の心を持つことの重要性>を難しい言葉は一切使わずに丁寧にお話しくださいました。


時に青空を見上げながら、「イヒヒヒヒ」っと子供のように笑ったりして、日陰で体も冷えてしまったでしょうが、最後まで次世代に生きるものたちへの言葉を続けてくださいました。


「自分は83歳だから、この時代が平和な非暴力の世界に変わったという結果は見れませんが」といいながら笑って、でも目はしっかり前を見据えて次世代に平和の実現を願う姿に、なんとなく自分の祖父も重ねてしまった。

幼少から観音菩薩の転生者として生きて、15歳で全政治的権限を委任されてからこれまで、法王自身も想像以上のたくさんの苦しみを味わっている。24歳の時に扮装して宮殿を抜け出して、馬と徒歩で3週間かけてインド国境付近にたどり着いて亡命を果たしてから、一度も祖国の土を踏んだことはないようです。


法王始め、多くのチベットの方々の笑顔の裏にはこんな辛く悲しい事実があること、そしてそれは今も続いていると言うことを少しでも知ってもらえたらと思い、乱文ですが綴ってみました。


より平和な世界を作るためにできることリスト

・一人一人の内なる平和を作ること

・まずは心の武器をなくすこと

・そのために人間の知性をフルに活用すること

・正しい知識に基づき、科学者の発見した事実の結果に基づき進んで行くこと


法王さまは「地球上の70億人が一つの家族」ということを目指してゆこうと仰いました。

まずは一人一人ができることをしたいですね。


長々と最後までお付き合いいただきありがとうございました☆


Ayur ~ Diya ~

いのち本来の喜びを生きる アーユルヴェーダ・ヨガ&more

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